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行政書士きくちオフィス 市川市本八幡 TEL047-374-3987 | 日記 | 摘出でない子の法定相続分について 違憲決定


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摘出でない子の法定相続分について 違憲決定 (2013.09.09)

決定理由を読んで  

先日、相続手続に関する規定について、大変大きな違憲判断がありました。いったいどのような判断だったのでしょうか。

自分なりに整理してみました。 

  平成25年9月4日 最高裁大法廷は、遺産分割で争いがあった平成13年の事件について、民法900条4項ただし書「摘出でない子の相続分を摘出子の相続分の2分の1とする」という部分は憲法14条1項の法の下の平等に違反する。 という判断を示しました。  

 従来、摘出子(法律婚で生れた子)と非摘出子(事実婚で生れた子)では、相続分の規定のみならず、戸籍の記載方法や国籍取得など様々な差別について多くの議論が継続してなされてきました。   

民法739条1項「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届出ることによって、その効力を生ずる。」=法律婚主義=  

 具体的には、戦後から高度成長社会、核家族化、国際化、事実婚の増加傾向等、時代の変化と共に相続に関連する規定は、常に議論され、一部見直しも行われてきました。   以下、その変化を簡単に確認してみると、、、  

昭和22年 家督相続廃止されました。  

昭和55年 配偶者の法定相続分引き上げられました。  

平成7年 最高裁大法廷決定 昭和63年当時の相続において非摘出子の法定相続分は合憲と判断、しかし、5人の裁判官による反対意見が付されました。   

平成10年 ドイツ 非摘出子の差別規定を撤廃されました。  

平成13年 フランス 非摘出子の差別規定を撤廃されました。  

平成16年 平成11年当時、非摘出子の戸籍記載「子」の記載が差別的と提訴され、その1審判決後、戸籍法施行規則の一部が変更、摘出子同様「長男(長女)」と更正することになりました。  

平成18年 最高裁大法廷判決 国籍法3条1項で、非嫡出子の国籍取得について摘出子と異なる扱いを定めた規定が平成15年当時において違憲であると判断。 国籍法が改正されました。
  
 このように、非摘出子に関する様々な規定が当時の時代背景において合理性があったのか否か、25年前頃(昭和63年)から議論が継続されてきた事が分かります。  

今回の最高裁大法廷の決定は、裁判官全員一致の意見で違憲判断が決定されました。  

 判決理由では、「家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかであるといえる。そして、法律婚という制度自体は我が国に定着しているとしても、上記のような認識の変化に伴い、上記制度の下で父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているものということができる。」と結んでいます。  

しかし実は、この決定により、当然世間では大きな問題が浮上し、疑問が迫ってきます。  

 それは、「本件規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していたものというべきである。」 という点で、憲法に違反する法律は原則無効となることから、この決定の先例としての拘束性がどの時点で行われることになるのか?ということです。  

 これについては、裁判所としても当然予想すべき重大な問題として、決定理由の中でいろいろと言及しています。  

 「本決定の違憲判決は、Aの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定(非摘出子の法定相続分は摘出子の2分の1)を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当である。」と説明しています。  

  要するに、既に関係者間において裁判、合意等により確定的なものとなったといえる法律関係までをも現時点で覆すことは相当ではないが、関係者間の法律関係がまだそのような段階に至っていないのであれば、今回の違憲無効と判断された本件規定(非摘出子の法定相続分は摘出子の2分の1)の適用を排除したうえで法律関係を確定的なものとすることができる。 

ということです。  

  結果、裁判、調停で確定した事案や、相続人間の遺産分割協議、債務者、債権者等での合意が終局、確定的なものになった事案を、今回の最高裁決定に基づき、現時点で覆すことはもはやできないことになります。  

 一方、関係者間(相続人、債権者、債務者等)でいまだ合意が確定していない事案については、今回の最高裁決定に基づき、本件規定(非摘出子の法定相続分は摘出子の2分の1)を排除したうえで法律関係(権利と義務の関係)を確定することができる。と考えます。  

 今回、この最高裁の判断で、法定相続分のみならず、遺言書作成時の遺留分についても再度考慮する必要が迫られます。 

  また、相続という法律関係だけではなく、所得税の寡婦控除の適用資格についても早急に変更することが考えられます。

 むしろこちらの方が現実的な事実婚のシングルマザーにとって大変大きな出来事になるのではないでしょうか。    以上

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